溶連菌感染(A群β溶血性連鎖球菌)感染について|名古屋市の循環器内科・外科・小児科ならさかいクリニック

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予防接種・アレルギー検査

溶連菌感染(A群β溶血性連鎖球菌)感染について

最近近辺の幼稚園、保育園で溶連菌感染の流行といった事案をよく耳にします。そこで溶連菌感染について特に抗生剤投与といった観点から調べました。抗微生物薬適正使用の手引きから抜粋しました。溶連菌感染で最も多い症状は咽頭炎です。そこで・・・。
急性咽頭炎で最も多い原因はウイルスです。小児の咽頭炎のうち日本では溶連菌陽性率は16.3%とのことです。また無症状の小児の10‐30%に溶連菌が検出され保菌者という事になります。よって溶連菌が原因である可能性の高い咽頭炎に対し抗原検査を行い陽性の患者にのみ抗生剤を投与することが必要と記載があります。
溶連菌が原因の咽頭炎を診断する基準があります。Centorの基準といいます。
  ・発熱38度以上・・・・1点
  ・咳がない・・・・1点
  ・圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹・・・・1点
  ・白苔を伴う扁桃炎・・・・1点
この基準の最高得点4点で抗原検査陽性率は68 %とのことです。
よって過剰な抗原検査による非溶連菌性の咽頭炎に対する抗菌薬の使用は避けるべきと明記されていました。
手引きには溶連菌迅速抗原検査の適応は以下の3個の項目を満たすようにとの記載もありました。
  1.急性咽頭炎の症状と症候があり急性溶連菌性咽頭炎が疑われる
  2.急性溶連菌性咽頭炎の身体所見を有する
  3.原則、3歳以上(3歳未満では溶連菌性咽頭炎がそもそも少なく、続発する急性リウマチ熱の合併も少ない)
当院ではこういった原則を順守し診断し必要がある方にのみ抗生剤投与を行っていきます。